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日本における医療保険制度の特徴は「国民皆保険」と「フリーアクセス」!

皆さん、こんにちは。税理士・行政書士、そしてのクリニック開業支援コンサルタントの大場です。記念すべき第1回目のコラムです。そのお題はコチラ!

日本における医療保険制度の特徴は「国民皆保険」と「フリーアクセス」

「国民皆保険」とは、すべての国民が国民健康保険や協会けんぽなどの何らかの公的医療保険に強制的に加入し、お互いの医療費を支え合う仕組みをいいます。

そして「フリーアクセス」とは、原則、全国どこでも同一価格で、誰もが自由に自身が望む医療機関において診療を受けることが出来る仕組みをいいます。

この「国民皆保険」と「フリーアクセス」は、世界的には珍しい仕組みであり、よく日本の保険制度と比較されるアメリカや中国では、国民皆保険の部分については、それぞれ「保険制度はあるが、それは強制加入ではなく任意加入である。」というのが原則であり、フリーアクセスの部分については、それぞれ「収入や年間の医療費に応じて異なる。」というのが原則です。

今回、このコラムで「国民皆保険」と「フリーアクセス」について取り上げたのには理由があります。それは、本当は、とりわけ「フリーアクセス」の方について取り上げたかったのですが…、それは、「フリーアクセス=診療報酬は、どの医療機関でも同じ。」と思い込んでいたのですが…、実はどうやら「違う!」ということに気が付いてしまったからです。

ここで整理しておきますと、通常、医療費については、70歳までの患者さんについては窓口負担が3割、残りの7割については社会保険診療報酬等支払基金などから医療機関に直接支払われる仕組みとなっていますが…、かかりつけ医機能を持つ医療機関(日本医師会では、「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」をかかりつけ医と呼んでいます。※公益社団法人東京都医師会HPより抜粋)では、通常の医療機関とは異なり、初診料に80点(金額に直すと1点=10円のため800円となります。)が上乗せされるのです。初診料は282点と決められていますので、これら医療機関の初診時には362点が算定されることになります。これは医療期間にとっては収入増となり喜ばしいことですが、患者さんにとっては大変迷惑な話です。患者さんにとっては、診療内容に違いがないにも関わらず、自分のかかる医療機関が「かかりつけ医機能を有する医療機関」として認定されていて、診療報酬の加算を取得して高い初診料となるのか、通常の初診料となるのかは、一見した限りでは全くわからず、もっといえば医療費の領収書に赤太字で書いてあるわけでもないため、問題意識を持って領収書を見なければ、患者さんはこの事実を知る由もありません。

この問題を解決するためには、少なくとも「院内掲示」などをきちんとし、患者さんが「この医療機関では高い初診料となる。」ということが把握出来るような仕組みにすることが適切ではないでしょうか?ただでさえ難解な部分が多い診療報酬制度。うがった見方をすれば、逆にそのことを利用し、敢えて患者さんに分からないようにしているように感じなくもありません。永続的でより良い医療制度構築のために・・・、“フェア・プレー”を望みます。

次回のコラムでは、今回議題に上った「かかりつけ医」について掘り下げて行きたいと思います。
では。

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