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医療法人設立サポート

医療法人設立について

 「医療法人にした方が有利」とお聞きになることがあるかと思います。

医療法人は増加の一途たどり、平成30年の統計では約54,000件となっています。
さらに全体の83%以上が医師が一人の医療法人です。
法人数の増加が物語るようにメリットは大きいと考えますが、メリット・デメリットは様々なケースにより違ってきます。
 
当サイトでは、基本的な事項や設立・運営での大切なポイントをご紹介いたします。

『医療法人化』でクリニックの価値を高めるとは?

クリニックの価値を高めることにより、周囲に対して“安心感”を与えることができます。また、様々な場面で個人経営より有利に作用します。

具体的には、従業員・取引先(医薬品業者など)・銀行に対して安心感を与え、優秀な人材が集まりクリニックの信頼性が向上し、医業成長に繋げる手段となります。

医療法人設立のメリット

所得税と法人税の税率の違いによる“節税効果”

適用税率の差異が大きな“節税効果”を生み出します。

現行の所得税法においては、課税所得金額(収入と支出の差額)が1,800万円を超える部分には、超過累進税率40%が適用されるのに対して、法人税法(平成24年4月1日以降に開始する事業年度に限る)では、課税所得金額が800万円以下の部分には15%、800万円超の部分には23.2%の税率が適用されます。

また、親族が医療法人の理事等に就任した際の『理事報酬の支払いによる節税』・生命保険料の所得控除を、積立部分を除く全額を経費として計上できる『生命保険料の経費計上』・個人経営では認められていない理事や理事長の退職金を経費として計上でき、退職者の税負担を軽くなるよう配慮もできる『退職金による節税』ができます。

源泉徴収がなくなることによる“資金繰りの負担軽減”

個人から医療法人に組織変更した場合に、理事長が最初に実感して頂けるのが“資金繰りの負担軽減”です。

個人経営での10%の所得税の源泉徴収が行われるのに対して、医療法人の場合には源泉徴収が行われないため、その分だけ月々の資金繰りの負担が軽減されます。

また、医療法人の場合には、法人が金融機関やクレジット会社と契約を結び、理事長が保証人となるため、『第三者保証が不要』となります。

“医療法人化”によるスムーズな相続・事業承継対策

個人経営では、院長の交代が起きた場合には、前院長が『事業廃止届』・後継院長が『事業開始届』を提出しなければならないため、新規開業手続き同様に手間や時間を要します。

また、前院長の個人財産(医療機器・施設・医薬品・歯科材料・未入金)を引き継ぐ場合には『贈与税』・前院長の死亡を契機として親族である後継院長が引き継いだ場合には、後継院長に『相続税』が課されます。

それに対して医療法人は、『都道府県知事に理事長の変更があった旨を届け出るのみ』で事業承継・継続することが出来ます。

そして、財産に関しては医療法人固有の財産のため、『贈与増』は課されず、前院長の死亡を契機として親族である後継院長が引き継いだ場合でも同様に、後継院長に『相続税』は課されません。 

“分院”の開設・“付帯業務”の運営が可能

医療法人では、定款変更等を実施するだけで、個人経営では出来ない(所在地の都道府県知事の許可を受けた場合は除く)『分院』・『付帯業務』の運営が可能となります。

“成功”へのモチベーションが高まる

医業にとっての“成功”は利益の追求のみではなく、社会貢献によるクリニック・バリューを高めることも重要です。医療法人にすることにより、従業員のモチベーションが高まり医院として社会貢献し、長期的安定成長の実現に繋がります。

医療法人化のデメリット

  1. 法人設立のための手続きが煩雑
  2. 事業報告書等を都道府県に届け出なければならない
  3. 資産の総額の変更登記が必要
  4. 役員の変更登記(重任も含む)が必要
  5. 社会保険への加入が義務付けられる
  6. 出資持分の定めのない医療法人しか設立出来ない

医療法人の設立に関しては、各医療機関の状況により、メリット・デメリットが異なってきます。私たちは、医療機関の状況・将来のビジョンを踏まえ、様々な角度から検討していくことにより、メリットの最大化を目指しサポートしています。

医療法人化までの流れ

医療法人設立の申請タイミングは、年2~3回、都道府県により異なり、さらに受付以降の期間・日程も異なります。
クリニックの申請したいタイミングと申請の受付タイミングが合わない場合は予定より時間がかかりますので、ご注意ください。

都道府県の申請受付期間を元に、医療法人へ移行するために要する期間を算出すると、おおよそ8ヶ月程になります。

神奈川県における設立の場合

医療法人設立認可・申請書の作成

都道府県の仮申請受付期間にあわせて準備
設立者(社員)・役員(理事3人、監事1人)の確定
設立総会議事録の作成
定款の作成(変更)
基本拠出財産の確定
事業計画及び予算書の作成
債権者や賃貸人への内諾..など

1.5ヶ月間程度

医療法人設立認可の仮申請(神奈川県に提出)
都道府県の仮申請受付期間に申請。押印なしの案文を提出

※半月間

医療法人設立審査(神奈川県)
申請書類について都道府県の担当者と内容確認・調整。

※2ヶ月間

医療法人設立認可の本申請(神奈川県に提出)
本申請するよう担当者から連絡がきたら、押印(個人の印)した申請書類を提出。

※半月間

設立認可書の交付(神奈川県に提出)

※半月間

設立登記(法務局に提出)

※半月間

診療所開設許可申請(保健所に提出)
会社の登記簿謄本を提出

※半月間

診療所開設届の提出(保健所に提出)
同時に今までの個人経営の「診療所廃止届」を提出

※1ヶ月間程度

保健医療機関の指定申請(厚生局管轄事務所に提出)
申請手続きは月単位で、締日が毎月15日

※半月間

設立
医療法人として新たな診療開始

 

医療法人設立事例

東京都における事例

  • 平成30年2月5日院長と初顔合わせ
    –2月23日から3月1日 東京都における平成29年度第2回の「医療法人設立認可申請書」の「仮受付期間」–
  • 2月26日 医療法人設立認可申請書を提出
    –初顔合わせから16日間で「仮受付」
    –いきなり「本申請」を行うことはできない
    –4月下旬 東京都庁医療法人係の担当者と、今回申請をした書類について、FAXで三回程、内容調整
    –6月中旬東京都から当事務所宛に「現在、医療法人設立申請を行われている方の本申請を行って下さい」との連絡あり
  • 6月29日「本申請」を行う。
  • 8月20日 東京都より設立「認可書」が公布
     公布された「認可書」の原本を、即、協力関係にある司法書士の元へ送り「医療法人設立登記」を依頼
  • 9月3日 (本年9月は1日・2日が土日と重なったため) 法人設立登記完了(医療法人誕生の日)
    –医療法人という“器”は出来たが、保健所からの「診療所開設許可」が下りていないため、医療法人として診察を行うことは出来ない(この時点では個人経営)
  • 9月25日 保健所に「診療所開設許可申請書」を提出。
  • 10月1日 保健所より診療所開設「許可書」が公布
  • 10月4日「診療所開設届」(「許可書」に記載されている「開設許可番号」を記入)
    個人経営のクリニックの「診療所廃止届」を同時に保健所に提出
  • 10月5日 クリニックにおいて保健所の「実地調査」を30分程度受け、医療法人としての診察を開始
    –本来、この後「保健医療機関の指定申請」の手続きを行うが、こちらのクリニックは自由診療のみのため、この時点で全ての手続きが完了。
    –もし手続きを行う場合、10月15日までに申請。10月末までに医療機関番号が付与され、11月1日から医療法人として保険診療開始。

この事例において

「上手く行った部分」

原則として、東京都では「事業計画」と「予算書」を提出しなくてはならないが、
以下の場合不要となり、今回はその条件に該当したため、クリニックの書類作成のスピードは格段に上がった。

①現在のクリニックで2年以上個人開業している医師又は歯科医師が、
②新たに一カ所のみ、医師又は歯科医師が常時一人又は二人勤務するクリニックを開設する医療法人の理事長、及びクリニックの管理者に就任する場合
③過去2年間黒字の所得税確定申告書を提出している個人経営のクリニックの場合
④病床をもっているクリニックを開設していない場合
⑤医療法人設立後2年間においても、事業の変更がない場合

「事業計画」と「予算書」の作成には、それなりの時間を必要とします。初顔合わせから仮受付期間の申請まで、1.5か月を目安として下さい。

「困難を伴った部分」

①クリニックがある建物の所有者が、院長の実母だったため、不動産使用のための「賃貸借契約書」の作成までの処理が煩雑だった。
医療法人は利益の配当を禁止されている。

親族が所有する賃貸物件に入居して親族に直接家賃を支払うことは、角度を変えて見ると、医療法人の利益を合法的に医療法人の外に移す手段とも見ることが可能。

そのため、この不動産使用のための「賃貸借契約」は、そのようなことを意図するものではなく、健全な商取引であることを証明しなければならなかった。

→近隣の当該物件と類似する物件の家賃の実勢価格を調査した上で、当該地域の家賃相場に基づいて、当該取引の家賃金額を決定したことを証する書類を作成。
 
②理事長に就任予定の院長が、親族が経営する会社の取締役であったことが後に判明。

営利の追求を目的とする企業の役員等への就任を禁止する医療法の定めに基づき、そちらの会社の取締役を辞任する手続きも併せて行わなければならなかった。

医療法人の設立は、お客様により様々で、予期していないことに時間を要することが多々あります。
とはいえ、お会いして、1週間~10日で仮受付の申請をした経験もあります。

都道府県により仮受付期間などのタイミングも違いますので、ご検討を始めたらお早めにまず一度ご相談下さいませ。

料金体系

医療法人設立に関わる料金は以下のように設定しております。
様々な要素により金額が変わりますので、詳しくはお問合せ下さい。

法人設立 60万円~(税別)
定款変更 40万円~(税別)

私たちが考える「医療法人化の目的」

私たちは、医療法人化は手段であり目的ではないと考えます。
このサイトをご覧になっている皆様が本当に求めることとは、『医療法人を設立すること』ではなく『クリニックの長期的安定成長の実現』だと思います。

数多くのクリニック様のサポートを通じて、下記の“四方よし”を実現出来ているクリニック様が『長期的安定成長の実現』をされていると感じます。

  • 「医院よし」・・・長期的に安定した成長
  • 「職員よし」・・・①指導・育成 ②モチベーションアップ ③生活保障 ④終身雇用
  • 「患者よし」・・・①指導・育成 ②健康寿命の延伸
  • 「世間よし」・・・①地域医療への貢献 ②医療費削減への貢献
  • これを実現するためのひとつの手段として、医療法人化は有効な方法であると考えます。
    私たちは、目先ではなく『長期的安定成長』のための法人化サポートをご提供致します。

    是非、『クリニックの医療法人化』をご検討下さい。

     

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